親の老いに気づいたとき|両親が二人暮らしなら大丈夫、は本当か

同じ家の別々の部屋でそれぞれ過ごす高齢の夫婦を描いた水彩のタイトル画像 親の見守り

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久しぶりに実家へ帰ると、親が老けたと感じる瞬間があります。歩き方、声の張り、部屋の片づき具合。前に会ったときとは何かが違う。

そこで「でも両親は二人で暮らしているから、一人暮らしの親よりは安心だ」と考える方は多いと思います。この記事はその考えに、少し立ち止まってもらうために書きました。

帰省すると、父と母が別々の部屋でそれぞれテレビを見ている、という場面によく出くわします。片方が地域の習い事に出かけて、もう片方は家に残っている日もあります。同じ家に住んではいるけれど、それぞれに習い事の仲間がいて、別のコミュニティの中で暮らしている。そう感じたのが、この記事を書いたきっかけです。

結論:二人暮らしでも、お互いを見守れているとは限らない

両親が二人で暮らしていると、何かあれば片方が気づくはずだと思えます。実際にそうなる家庭も多いでしょう。

ただし、それは二人が同じ時間を同じ場所で過ごしている場合の話です。二人がそれぞれ別の趣味を持ち、別々に外出し、家にいても別の部屋で過ごしているなら、お互いの変化に気づく機会は思うほど多くありません。

親の見守りに関する情報の多くは「一人暮らしの親」を前提に書かれています。二人暮らしの親については「一人ではないから」という理由で、見守りの対象から外れがちです。ここに見落としがあります。

二人暮らしの親に起きやすい3つのこと

同じ家で別々の部屋にいる高齢の夫婦と、食品が多めに置かれた棚を描いた水彩イラスト

それぞれが忙しく、一緒にいる時間が減っている

定年後に趣味の教室や集まりに通い始めた親は、生き生きしています。それ自体は喜ばしいことです。ただ、夫婦がそれぞれ別の予定で動いていると、家で顔を合わせる時間は現役時代より減ることがあります。

片方が家で転んでも、もう片方が外出中なら気づけません。一人暮らしと同じ状況が、一日のうち何時間かは生まれています。

家の中の変化に、二人とも気づいていない

掃除が行き届かなくなる。壁紙の汚れや剥がれが増える。使わないものが片づけられずに置かれている。こうした変化は、毎日その家で暮らしている本人たちには見えにくいものです。

二人とも同じ家に住んでいるので、どちらかが「最近散らかってきた」と指摘する場面は生まれにくい。たまに帰る子どものほうが先に気づきます。

買う量と食べる量のずれに、気づいていない

安いときにまとめて買う習慣は、体力があった頃のままです。しかし食べる量は年齢とともに減っています。冷蔵庫や棚に食品が増え、帰省した子どもに持たせて減らす、ということが起こります。

これは「もったいない」で済む話ではなく、買い物と食事の量を本人が把握できていないサインです。食事の変化については一人暮らしの親の食事が心配|確認したい5つのサインで詳しく整理しています。

帰省したときに、二人暮らしならではの確認をする

一人暮らしの親に対する確認項目に加えて、二人暮らしでは次のことを見てください。

  • 平日の昼間、二人が同時に家にいる時間は何時間あるか
  • 片方が外出しているとき、もう片方は一人で何をして過ごしているか
  • お互いの外出予定を、相手が把握しているか
  • 片方の体調が悪いとき、もう片方は気づいて対応できる状態か
  • 家の中で、二人が同じ部屋にいる時間はどのくらいか

聞き方は「二人とも元気にしてる?」より、「お父さんは昼間なにしてるの?」「お母さんが出かけてる間は?」のように、一人ずつ分けて聞くほうが実態が見えます。

親に見守りの話をする前に知っておくこと

二人暮らしの親に見守り機器の話をすると、「二人いるから要らない」と言われることがあります。それは自然な反応です。本人たちにとって、相手がいることは事実だからです。

このとき「一人になる時間がある」と説得するより、「暑い日に部屋の温度が分かると安心」「夜遅くまで電気がついていたら教えてほしい」のように、二人の暮らしを縛らない用途から話すほうが受け入れられやすくなります。

親が新しいものを嫌がる場合の話し方は見守りカメラを嫌がる高齢者|映像を使わない見守り5つの方法にまとめています。それでも断られたときに、何から順に提案し直すかは離れて暮らす親に何を提案しても断られるとき|受け入れられた順に並べてみたに書いています。

二人暮らしの家に合う見守りの形[PR]

二人暮らしの家に置く場合、機器に求めることは一人暮らしと少し違います。「誰かが動いているか」だけでは、片方の異変が分かりません。部屋ごとの温度や、特定の家電の使用状況のように、生活の一部を切り出して見られる方が、二人の暮らしには向いています。

コンセントに挿すだけで使えるセンサーとして、auの「かんたん見守りプラグ」があります。メーカーの説明では、人の動き・温度と湿度・挿した家電の使用状況・部屋の明るさの4つを検知し、Wi-Fiがない家でも使えるとされています(通信はLTE-M)。カメラはついていません。かんたん見守りプラグの仕様と料金を見る(PR)

公式サイトで確認できる条件です。

  • 本体8,800円が、特典で4,400円(税込)。月額539円で初月は無料
  • 設置にインターネット回線は不要。コンセントに挿して、スマートフォンのアプリで見る
  • 温度・湿度から熱中症のリスクを4段階で通知する
  • 指定した時間内に動きがない場合や、深夜に明かりが点いたままの場合に通知する
  • auのIDが必要。防水ではないため、風呂場や湿気の多い場所には置けない

二人暮らしなら、たとえば母親がいつも使う電気ポットに挿しておけば、母親の生活リズムだけが分かります。父親の部屋に置けば、父親の就寝時間が分かります。二人をまとめて見るより、一人ずつ分けて見る置き方が合います。料金や特典は変更されることがあるため、申し込み前に公式ページで最新の内容をご確認ください。

実家にWi-Fiがない場合の見守りについては、実家にWi-Fiなし|見守り方法の選び方もあわせてご覧ください。

見守りより先に、二人の時間を増やす方法もある

子どもから届いた写真を二人で見て笑う高齢の夫婦を描いた水彩イラスト
機器を置く前にできることもあります。二人が同じ時間に同じことをする機会を増やすことです。

たとえば、子どもからの電話を「二人そろっているとき」に決める。帰省したとき、二人と一緒に出かける予定を作る。二人で使うものを贈る。こうした小さなことが、お互いの様子を見る時間を作ります。

見守りは機器だけで成り立つものではありません。二人暮らしの強みは、そこに人がいることです。その強みが機能する時間を増やすことも、立派な見守りです。

次にすることは、二人の一日を別々に聞くこと

次に電話するとき、または帰省したとき、父親と母親それぞれの「昨日一日」を聞いてみてください。朝何時に起きて、昼間なにをして、夜は何時に寝たか。

二人の答えを並べると、同じ家に住んでいても、どのくらい別の時間を過ごしているかが見えてきます。それが、二人暮らしの親に必要な見守りを考える出発点になります。

見守りを始める時期の判断については、一人暮らしの親の見守りはいつから始める?判断の目安もご覧ください。一人暮らし向けに書いていますが、判断の考え方は共通です。

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この記事を書いた人
サナダシン

一人っ子です。両親は車で3時間ほど離れた実家に二人で暮らしていて、実家では猫を飼っています。見守りを考えはじめたのは、しばらく連絡を取らなかった間に、親がオレオレ詐欺でお金を振り込んでしまったことがきっかけでした。それ以来、連絡のルール、詐欺への備え、見守りの機器やサービスを、自分の家で試しながら調べています。介護の資格はありません。将来に備える子どもの立場から、わが家で起きたことと公式情報を分けて書いています。

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