離れて暮らす親に何を提案しても断られるとき|受け入れられた順に並べてみた

近所の人と楽しそうに話す買い物帰りの高齢の親を描いた水彩のタイトル画像 遠距離介護の準備

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離れて暮らす親が心配で、何かできることはないかと考える。調べて、これならと思って提案する。断られる。

宅配の食事も、近くへの引っ越しも、見守りの機器も、断られた経験がある方は多いと思います。「できること3選」のような記事を読んで実行しても、親が受け入れなければ何も始まりません。この記事は、その先の話です。

私も断られています。親の兄弟がいる県への引っ越しを持ちかけたときは「今さら新しい友達を作るのはしんどい」と言われました。宅配食は「スーパーに行く楽しみが減る」という理由でした。長い年月をかけて自分なりに心地よい生活のリズムを作り上げてきたことに、親は誇りを持っている。そう感じたので、それ以上強くは言えませんでした。

結論:断られる理由は「不便だから」ではない

提案が断られると、機能や価格が合わなかったのだと考えがちです。もっと安いもの、もっと簡単なものを探して、また提案する。それでも断られる。

理由は別のところにあります。親が断るのは、その提案が**いまの楽しみや人間関係を減らすもの**に見えるからです。便利かどうかは二の次です。

宅配食を断る親は、スーパーへ行くこと自体が楽しみです。安いものを探し、店で知り合いと話す。それを「食事が届くようになる」ことと引き換えにはできません。引っ越しを断る親は、いまの町に趣味の友達がいます。近くに住めば安心だと言われても、その友達との関係は持っていけません。

断られたものと、受け入れられたものを並べる

近所のスーパーで店主や知り合いと笑いながら買い物をする高齢の親を描いた水彩イラスト
提案が断られたら、その理由を「不便」と「楽しみが減る」のどちらかに分けてみてください。多くの場合、後者です。

提案 親の反応 断られた本当の理由
宅配の食事サービス 断られた スーパーでの買い物と、そこでの会話が楽しみ
子どもの家の近くへ引っ越す 断られた 趣味の友達がいる。いまの場所のほうが揉め事もない
見守りカメラを置く 抵抗がある 見られている感覚。新しいものへの抵抗
猫の様子を見るためのカメラ 受け入れられた 親の暮らしを見るためではない、という名目があった

受け入れられたものには共通点があります。**親の暮らしを変えないこと**、そして**親のためだと言わないこと**です。「あなたが心配だから」は、親にとって「自分はもう心配される側だ」と認めることになります。

提案の順番を変える

猫をなでる高齢の親と、猫用に置かれた小さなカメラ、コンセントの小型センサーを描いた水彩イラスト
受け入れられやすい順に並べると、こうなります。

  1. 親の暮らしに何も足さないもの:電話の頻度を決める、帰省の予定を早めに伝える
  2. 親以外の何かのためという名目があるもの:ペットの様子を見る、家の防犯のため
  3. 本人が意識しなくてよいもの:コンセントに挿すだけのセンサー、電気の使用状況
  4. 本人が身につけるもの:緊急通報ボタン、GPS端末
  5. 親の行動を変えるもの:宅配食、家事代行、引っ越し

上から順に試して、受け入れられたら次へ進みます。最初から5番目を提案すると、断られたあとに1番目も言い出しにくくなります。

カメラを猫の名目で置いた話は、見守りカメラを嫌がる高齢者|映像を使わない見守り5つの方法に書いています。

両親が二人で暮らしている場合は「二人いるから要らない」という断り方が加わります。その場合の考え方は親の老いに気づいたとき|両親が二人暮らしなら大丈夫、は本当かにまとめています。

親が意識しなくてよい見守りの例[PR]

3番目の「本人が意識しなくてよいもの」として、コンセントに挿すだけのセンサーがあります。

auの「かんたん見守りプラグ」は、メーカーの説明では、人の動き・温度と湿度・挿した家電の使用状況・部屋の明るさを検知し、スマートフォンのアプリで確認できるとされています。Wi-Fiがない家でも使え、カメラはついていません。公式サイトには「行動を監視されているストレスを感じることなく」という説明があります。かんたん見守りプラグの仕様と料金を見る(PR)
  • 本体8,800円が特典で4,400円(税込)、月額539円(初月無料)
  • 設置はコンセントに挿すだけ。インターネット回線は不要
  • auのIDが必要。風呂場など湿気の多い場所には置けない

親に伝えるときは「あなたを見るため」より「暑い日に部屋の温度が分かると、こっちが安心だから」のように、こちらの都合として話すほうが受け入れられやすくなります。料金や特典は変更されることがあるため、申し込み前に公式ページで最新の内容をご確認ください。

4番目まで進んだら、身につけるものを考える

センサーが受け入れられて、親も「知られていること」に慣れてきたら、外出時の見守りを考える段階です。

GPS端末のあんしんウォッチャーは、メーカーの説明では位置情報をスマートフォンで確認でき、かんたん見守りプラグと同じアプリで管理できるとされています。ただし、親に「持ち歩いてもらう」必要があります。ここまで来て初めて、親が身につけるものを提案できます。あんしんウォッチャーの仕様を見る(PR)

持ち歩いてもらえるかどうかの確認は、緊急通報ボタンは持ち歩いてもらえる?導入前の確認で整理しています。

5番目は、親が自分から言い出すのを待つ

宅配食や引っ越しのように、親の暮らしを変える提案は、こちらから何度言っても動きません。動くのは、親自身が「そろそろ」と思ったときです。

そのときのために、情報だけは用意しておきます。どの宅配食なら安否確認がつくのか、引っ越すならどんな選択肢があるのか。本人が言い出したときにすぐ出せる状態にしておけば、それで十分です。

宅配食を検討する段階になったら、高齢者の宅配弁当で見守りも|安否確認付き配食とはをご覧ください。

断られても、聞いた事実は残る

提案が断られたとき、その理由を聞けたことには意味があります。「スーパーに行くのが楽しみ」「趣味の友達がいる」という言葉は、親が何を大事にしているかを教えてくれています。

次に提案するとき、その楽しみを奪わない形を選べます。断られた回数は、親のことを知った回数でもあります。

次にすることは、断られた理由を書き出すこと

これまでに断られた提案と、そのとき親が言った言葉を書き出してみてください。「面倒」「要らない」の裏に、親が守りたいものが見えてきます。

それが見えたら、上の1番目から順に、その楽しみに触れない提案を選び直します。

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この記事を書いた人
サナダシン

一人っ子です。両親は車で3時間ほど離れた実家に二人で暮らしていて、実家では猫を飼っています。見守りを考えはじめたのは、しばらく連絡を取らなかった間に、親がオレオレ詐欺でお金を振り込んでしまったことがきっかけでした。それ以来、連絡のルール、詐欺への備え、見守りの機器やサービスを、自分の家で試しながら調べています。介護の資格はありません。将来に備える子どもの立場から、わが家で起きたことと公式情報を分けて書いています。

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