高齢の親にLINEを教えるとき、一度に教えない方がよい機能

高齢の親にLINEを教えるとき、一度に教えない方がよい機能 アイキャッチ(横長・文字あり) 親との連絡

離れて暮らす親とLINEで連絡できれば、電話に出られないときも短い用件を残せます。一方で、教える側が便利な機能を次々に説明すると、親は「覚えることが多い」と感じてしまうことがあります。

高齢者へのLINEの教え方で大切なのは、すべての機能を使えるようにすることではありません。まずは親子の連絡に必要な操作だけに絞り、本人が自分でできる範囲を少しずつ増やします。

先に結論
初日は「家族1人のメッセージを読む・短く返す・ホーム画面へ戻る」だけで十分です。既読や返信だけで安否を判断せず、返事がないときの電話先と次の確認方法も家族で決めておきます。
LINEのグループが使えるようになると、一気に楽しみが増えますよね。だけど心配なのは、通知が来たら全て返信しないといけない、という思い込み。知らない名前の人からの連絡には返信しないよう、最初の設定は一緒にやりながら教えることが一番だと思います。

この記事で分かること

  • LINEを教える最初の日に絞りたい3つの操作
  • グループや写真、通話などを後回しにする理由
  • 親が混乱しにくい練習の進め方
  • 怪しいメッセージや緊急時に備える注意点

最初の目標は「読む・短く返す・終える」の3つ

最初からLINEを使いこなす必要はありません。親子の連絡手段として始めるなら、次の3つができれば十分です。

  1. LINEを開き、決めた家族との画面を選ぶ
  2. 届いたメッセージを読む
  3. 「了解」「元気です」など短い返事を送る

LINEでは、メッセージをやり取りする画面を「トーク」と呼びます。最初は家族1人とのトークだけを使い、ほかの画面は触らなくてもよいと伝えます。

練習するときは、教える側がスマートフォンを取り上げて操作するのではなく、親本人に持ってもらうのが基本です。横から一手ずつ声をかけ、分からなくなったら最初の画面に戻ります。

一度の練習時間は、10~15分程度をひとつの目安にしてもよいでしょう。時間よりも、親が疲れたり焦ったりする前に終えることを優先します。

高齢の親にLINEを教えるとき、一度に教えない方がよい機能 文中画像1(16:9・文字なし)

一度に教えない方がよい5つの機能

次の機能は便利ですが、画面の切り替えや選択肢が増えます。必要が生じてから、ひとつずつ追加する方が覚えやすくなります。

1.グループトークと複数の送信先

家族全員で連絡できるグループは便利ですが、個人宛てとグループ宛てを見分ける必要があります。別の相手に送ってしまう心配があるなら、最初は子ども1人との連絡に絞ります。

2.写真や動画の送信

写真を選ぶ画面には、過去に撮った画像が並びます。選択、確認、送信という手順が増えるため、文字の送受信に慣れてからで構いません。

3.音声通話とビデオ通話

LINEの通話は、通常の電話とは受け方や終了方法が異なる場合があります。音量調整やカメラの切り替えもあるため、最初から文字と通話を同時に教えると混乱しやすくなります。

まずは普段の電話を残し、LINE通話は後日あらためて練習する方法があります。

4.スタンプや送信取り消し

スタンプは文字入力を減らせる一方、候補が多く、購入画面などへ移動することもあります。送信取り消しも、削除との違いを理解する必要があるため、最初の必須機能ではありません。

5.友だち追加や細かな設定変更

QRコードや連絡先を使った友だち追加、通知やプライバシーの設定は、操作の意味を確認しながら進めたい部分です。本人に無断で連絡先の同期や設定変更をせず、必要な範囲を相談して決めます。

最初に練習すること 慣れてから追加すること
LINEを開く 友だちを追加する
家族のメッセージを読む グループを使う
短い返事を送る 写真や動画を送る
ホーム画面に戻る 音声・ビデオ通話を使う

後回しにするのは、使わせないためではありません。「今日はここまで」と区切り、成功した操作を定着させるためです。

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親が覚えやすい教え方は、毎回同じ順番にすること

説明の言葉や操作の順番が毎回変わると、親はどれを覚えればよいのか迷います。家族の中でも教え方をそろえておくと安心です。

ホーム画面から始める

練習は毎回、スマートフォンのホーム画面から始めます。「緑色のアイコンを押す」など、親が見つけやすい特徴を使って案内します。ただし、アイコンや画面表示は機種、OS、アプリの更新によって変わる場合があります。

返事の定型文を決める

文字入力が負担なら、最初は「了解」「あとで電話します」「元気です」のような短い返事を2~3個に絞ります。入力の速さや漢字の変換にこだわらず、意味が伝わればよいことにします。

最初に使う定型文を4つに絞る

定型文 使う場面
元気です 普段の安否連絡
了解 用件を読んだことを伝える
あとで電話します 文字入力が難しいとき
電話してください LINEでは説明しにくいとき

家族側も、この4つ以外の返事を求めすぎないようにします。「文章で返して」「写真を送って」と急に課題を増やさないことが、継続しやすさにつながります。

教えた直後に親だけで操作してもらう

一度説明したら、次は教える側が手を出さず、親だけで同じ操作をしてもらいます。途中で迷った場所が、次回もう一度練習する場所です。

紙の手順書を作る場合も、説明を詰め込みすぎないようにします。「LINEを押す」「家族の名前を押す」「返事を書く」「送信を押す」程度の短い手順から始めます。

返信がないときの段階対応を先に決める

LINEを安否確認に使う場合は、親の返信速度を前提にせず、家族側の行動を決めておきます。

  1. 決めた時間までは待ち、短いメッセージをもう一度送る
  2. 普段使っている電話番号へかける
  3. 家族内で決めた近隣の確認先へ連絡する
  4. 急病・事故・事件が疑われるときは、LINEの返信を待たず緊急連絡する

待つ時間や近隣の確認先は、親の生活リズム・持病・地域事情に合わせて家族で決めます。LINEの既読時刻を、安否が確認できた時刻として記録しないようにしましょう。

「既読」は安全確認の代わりにはならない

LINEでは、相手がトークを開くと「既読」と表示されることがあります。ただし、既読が付いても、本人が内容を理解したことや、普段どおり元気に過ごしていることまでは確認できません。

反対に、既読が付かない理由も、外出中、充電切れ、通信環境、通知への気付きにくさなどさまざまです。すぐに異変と決めつけず、電話をかける時間や、連絡が取れない場合の次の確認先を家族で決めておきます。

連絡が取れないときの考え方は、親が電話に出ないとき、何分待つ?家族の連絡ルールでも整理しています。

明らかな急病や事故が疑われる場合は119番、事件や身の危険が迫っている場合は110番へ連絡してください。LINEだけを緊急連絡の手段にしないことが大切です。

怪しい相手には返事をせず、家族に確認する

LINEを使い始めると、知らないアカウントから連絡が来たり、家族や知人を装ったメッセージが届いたりする可能性があります。

最初の練習時に、次のルールもひとつだけ伝えておきます。

  • 知らない相手から届いたメッセージには返事をしない
  • 「お金を払って」「番号を教えて」「このURLを押して」と言われても、その場では操作しない
  • 迷ったら、LINEへの返信ではなく、普段使っている電話番号へかけて確認する

ブロックや通報の方法まで一度に教える必要はありません。まずは「触らずに家族へ見せる」という行動を決めておく方が分かりやすいでしょう。

LINEの画面や設定、利用できる機能は変更される場合があります。具体的な操作は、利用中の端末とLINEの公式情報をご確認ください。

LINEを無理に勧めない方がよい場合もある

親がスマートフォンの利用を望んでいない場合や、画面の文字・タッチ操作が大きな負担になる場合は、LINEにこだわる必要はありません。

通常の電話、留守番電話、決まった時間の連絡など、本人が使い慣れた方法の方が続けやすいこともあります。子どもにとって便利かどうかだけで決めず、親がどの方法なら負担なく返事をできるかを一緒に確認します。

文字を大きくする設定や操作支援について携帯電話会社などへ相談する場合は、対応内容、予約の要否、費用を事前にご確認ください。

初日の終了チェック

  • 親自身の手でLINEを開けた
  • 決めた家族1人のトークを選べた
  • 短い返事を1回送れた
  • ホーム画面へ戻れた
  • 知らない相手・送金・認証番号・URLの依頼には返事をせず、家族へ見せると確認した

できなかった項目があっても、その場で機能を追加せず、次回は同じ順番で一つだけ練習します。

今日することは「短い返事を1回送る」だけ

次の行動は、親子で連絡用の相手を1人決め、「元気です」などの短い返事を1回送る練習です。

できたら、その日は新しい機能を追加せずに終えます。翌日や次の訪問時に同じ操作を繰り返し、迷わずできるようになってから、写真や通話をひとつずつ加えていきましょう。

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